店長おすすめの一枚 2003年2月

リンダ・ルイス/ラーク

リンダ・ルイス/ラーク
  1972年作品 イギリス(ソウル)
  ワーナー WPCR534

    曲目
 1.スプリング・ソング
 2.真理を求めて
 3.枠の中で
 4.フィーリング・フィーリング
 5.私に何を求めるの
 6.ラーク
 7.オールド・スモーキー
 8.喜んで手を差し伸べよう
 9.モア・ザン・ア・フール
10.精いっぱいに
11.ウォーターベイビー
12.リトル・インディアンズ

今月でちょうど1年。
今まで11枚のアルバムを紹介してきた事になりますが、よく見てみたら女性ヴォーカルの作品が1枚もありませんでした。
家のレコード・CD棚を見てみてもロック・ポップス系の女性ヴォーカルの作品は非常に少ない。
そんな数少ないお気に入りの女性ヴォーカルの中から紹介したいと思います。

と書いておいてリンダ・ルイスを紹介するのは少し恥ずかしいなー。
7・8年前に凄く流行ったもんね。
しかも「ラーク」はリンダを知っている人なら必ず一番と評価する名盤だからね。
僕がリンダを知ったのはその流行の時95年。
世はフリー・ソウル全盛の時代。
DJの方々は古い音源の中から気持ちE音楽を探しておりました。
そんな中から再発見されたのがリンダ。
60年代後半にイギリスのロックミュージシャンのリスペクト等をきっかけにブルースマンが再発見された時と同じで、再評価ではなく再発見とゆう言葉がまさにピッタリ。
その再発見と時を同じくして「セカンド・ネイチャー」が出され、それを聴いたのがきっかけ。
その年の末には今回紹介する「ラーク」が初CD化(日本盤初登場)。

この「ラーク」上記しましたがリンダの最高傑作で間違いないでしょう。
アルバム・タイトルのLark(ひばり)のように自由にさえずる声がなんとも愛らしい。
やさしく、瑞々しく、愛らしく、キュートに、大空を飛び回るように自由に唄っています。
帯には「5オクターブの声でレインボー・ヴォイス」と書いてありますがイメージ的にはピンときませんね。
やっぱり「Larkのような」とゆう形容の方がピッタリ。
楽曲はソウル、ロックからカリブまでジャンルにとらわれない曲作り。
リンダの声を極力生かす為かアコースティックでシンプルなアレンジになっています。
リンダの声の素晴らしさもありますが、この素晴らしい楽曲・アレンジもこのアルバムを名盤の域に高めている所以でしょう。
現在は少なくなりましたが、ジャンルの枠にはまりきらない音楽性を持つミュージシャンってリアルタイムでは評価されにくいですよね。
黒人の場合は尚の事その感が強いです。
リンダ・ルイスもこの典型でしょう。
翌73年には中村とうよう氏により輸入盤としてMM誌に紹介されましたが一部の音楽ファンの耳にしか届かなかったようです。

リンダは50年にイギリスに生まれ、映画の仕事やバンド、セッション・ヴォーカリストを経て71年にソロ・デビュー。
翌72年にセカンド・アルバムとしてこの「ラーク」を発表。
73年発表の「ファザモス・ディープ」も素晴らしいアルバムです。
このアルバムを最後にリプリーズからアリスタに移籍するのですがあまり良い作品を残したとは言えません。
特に80年前後の作品はバックの音がまんま当時のユーロビートで、リンダの声は籠の中に閉じ込められたままでした。
96年くらいに当時のレコードが店に入荷して聞いてみたんですが本当にひどい。
なのにブームの為か高い値段ですぐに売れてしまうんですよ。
ちょっと複雑でした。
83年にアルバムを出してからリンダはしばらく表舞台から消えてしまいます。
セールス的にも恵まれず、何よりレコード会社の意向によりやりたい音楽が出来なかった事がリンダから音楽をしようとゆう気持ちを奪ったんでしょう。
そんなリンダが表舞台に再び現れたのが95年の「セカンド・ネイチャー」。
それ以前にもジャミロクワイ等の録音に参加して音楽をやる気持ちが戻ってきていたみたいです。
そしてフリーソウルの中心の一人として評価された事がリンダのアルバム作りを大きくバックアップしたんだと思います。
自分の作りたいように作る事が出来た「セカンド・ネイチャー」は「ラーク」の延長線上にあるのですが、あれから20年以上経ちスケールが大きくなってさらに表現力が豊かになっているように思います。
売れたアルバムなので中古盤店で目にする事も多いので、こちらから先に聴いていただいても後悔は無いでしょう。
ここ5年程リンダの情報を耳にする事がなくなりましたが、何をしているんでしょう?
再び僕らの前に戻ってくれる事を期待します。

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