店長おすすめの一枚 2002年9月

ザ・ザ/マインド・ボム

ザ・ザ/マインド・ボム
  1989年作品 イギリス(ロック)
  EICP 7061 (8/21再発)

    曲目
 1.GOOD MORNING BEAUTIFUL
 2.ARMAGEDON DAYS ARE HERE (again)
 3.THE VIOLENCE OF TRUTH
 4.KINGDOM OF RAIN
 5.THE BEAT(en) GENERATION
 6.AUGUST & SEPTEMBER
 7.GRAVITATE TO ME
 8.BEYOND LOVE

普段紹介するアルバムは廃盤になっている事が多いので、今回は再発されたばかりの盤を紹介します。
再発盤はニュージャケットでリマスタリングだそうです。

このアルバムが発売された89年から2年程は僕の音楽遍歴の中では変化の時期にあるのかもしれません。
何度か書いているかもしれませんが、中学高校とロック大好き人間でクラスでも数少ないチャート物以外を聞く音楽ファン。
でもこの89年辺りは気持ちの中で大きな変化が出来はじめていました。
リアルタイムで聴くロックに物足りなさを感じ、音楽雑誌の嘘っぽい記事にも苛立ちを感じ始めていました。
それと共に1・2年後に押し寄せる「ワールド・ミュージック」と呼ばれる事となる、世界各国の音楽の存在に気づき始めたのもこの頃。
しかし物足りなくもやっぱりロック。
当時リアルタイムで良く聴いていたのが ザ・スミス、R.E.M.、U2、ジョージ・ハリスン といったところかなー。
この辺りは今でも好きですがそれに続くものが無かった。
ほんやらどおでバイトを始めたのが90年3月、このアルバムに出会ったのが発売から1年経った90年7月。
夏休みで毎日10時間店にいた僕は片っ端から聞き漁っていました。
その時聴いて一発で引っかかったのがこのアルバム。
何が良いのかと説明するのが非常に難しい。
うーん、マット・ジョンソンの苦悩や葛藤、音楽と対峙している姿勢が音にも歌詞にも現れているところかな。
地に足がついていて強い意志を感じるんですよ。
雑誌で大きく取り上げられなくてもいい音楽は無数に在るんだと感じました。
音楽雑誌は良い悪いよりも雑誌が売れるミュージシャンを取り上げるのが当然ですもんね。
それ以来音楽雑誌は情報を得るだけの物として読むように心がけています。
有名・無名に対する意識の持ち方がこのアルバムによって少し変わったのが大きかったねー。
知名度・人気・ジャンル といった物を気にする事を少なく音楽を聞けるようになると、世の中には良い音楽がたくさんあったんですよ。
そして第一回目で紹介している「ユッスー・ン・ドゥール/セット」に出会ったのもこの少し後。
もしこのアルバムを聴いていなかったら「セット」も聴いていたかどうかわからない。
そうすると今こうして「ほんやらどお」にいたかどうかも不安になります。
ロック以外の音楽を聴くようになったきっかけがきっかけロックだったのも可笑しな話ですね。

このアルバムの前後はバンドのメンバーも固定していたようですが、目玉はギターのジョニー・マー
元スミスのです。
それもあったためかザ・ザとしては一番の売り上げを記録しました。
4曲目にはゲスト・ヴォーカルでシンニード・オコーナーが参加。
詞の内容は社会に対するメッセージが込められています。
特に2曲目は昨年の9/11以降を予言しているかのよう。
起こるべくして起こった事なのかもしれません。
キリスト教、イギリス政府、アメリカ権力に対する彼の意見は少数派の意見なのかもしれませんが、彼の音楽を強固な物にしている一番の要因でしょう。

僕の中では数少ない信用の置ける現役ロック・ミュージシャン。
同時に再発される3作品はどれも重要作。
正面を見据える彼の瞳の中に何が写っているかぜひ聴いて確かめて欲しい。

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  当ページでは毎月一枚づつアルバムを紹介していく予定です。


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