店長おすすめの一枚 2002年7月

フランク・ザッパ/シーク・ヤブーティ

FRANK ZAPPA/SHEIK YERBOUTI
  1979年作品 アメリカ(ロック)
  VACK5238

    曲目
 1.アイ・ハヴ・ビーン・イン・ユウ
 2.フレイクス
 3.ブロークン・ハーツ・アー・フォー・アスホールズ
 4.アイム・ソー・キュート
 5.ジョーンズ・クラッシャー
 6.ホワット・エヴァー・ハプンド・トゥ・オール・
                  ザ・ファン・イン・ザ・ワールド
 7.ラット・トメイゴ
 8.ウィ・ゴッタ・ゲット・イントゥ・サムシング・リアル
 9.ボビー・ブラウン
10.ラバー・シャツ
11.ザ・シーク・ヤブーティ・タンゴ
12.ベイビー・スネイク
13.トライング・トゥ・グロウ・ア・チン
14.シティ・オブ・タイニー・ラッツ
15.ダンシング・フール
16.ジューイッシュ・プリンセス
17.ワイルド・ラヴ
18.ユア・ママ

フランク・ザッパです。
このアルバムを紹介すると決めたのはいいのですが、キーを打つ手がなかなか進まない。
こんな事は初めてですが頑張って書き進めましょう。
このページを見ているロック・ファンでザッパを聴いた事のある人はどのくらいいます?
ロック・ファン以外の人ではどのくらいの人が聴いているんでしょう?
ザッパを聴く人ってロック・ファンよりも現代音楽・フリージャズと言った音楽をロックと共に聴いている人が多いのかな。
マスコミがつけたイメージは奇人・変人・奇才・難解といったもの。
ワン・アンド・オンリーの彼にとっては誉め言葉ですが、知らない者にとっては敬遠するしかないでしょう。
でも実際は、ポップでユーモアにとんでいて非常に聴きやすい。
ただ、聴く側が戸惑うのは彼が幅広いジャンルの音楽を作っているとゆう事。
僕が20歳くらいの時の話で、僕が友達にこのアルバムを聴かせたら凄く気に入り早速CD店へ。
彼が買って来たのアルバムタイトルは「ロンドン・シンフォニー・オーケストラ」。
タイトルのとおりザッパの曲をロンドン・シンフォニーが演奏するとゆう物。
怒られました。(僕は悪くないです)
結局僕が買い取る事になり、僕は楽しめていますが、ロックのつもりで買った彼からすると許し難い事だったでしょう。
タイトルから想像しろと思うのですが、多分あちこちでこのような事は起こっていると思われます。
とにかく演奏している音楽のジャンルが幅広い。
彼にとってはジャンルの意識、特にロックをしたいとゆう意識は全く無かったんでしょう。
40年代のアメリカの田舎町に生れて音楽をしようと思ったら一番手っ取り早いのが、ギターを持ってロックをする事だったんだと思います。
もっと前にニューオリンズに生れていたらジャズだったんでしょうし、19世紀のヨーロッパだったらクラシックの作曲家、現代のドイツやデトロイト等に生れていたらDJになっていたんでしょう。
ただそれだけの事ですが、何をやっていても名を残していたでしょう。

さてこのアルバムの話です。
僕がこのアルバムをはじめて聴いたのは18歳の時。
音楽雑誌にザッパのアルバムがCD化とゆう広告が出ていたのを見て、伊勢町にあった今は亡き店へ。
本当は「フリーク・アウト」が欲しかったんですが、「当店の仕入先では扱わないメーカーです」と言われ、同時期に東芝からCD化された3枚のうちこれを選ぶ事に。
当時ライコはどこの扱いだったのかな?
でも、結果的にこれが正解でした。
ザッパのアルバムの中でも1・2を争う聴き易さ。
ロック、ドゥーワップ風のコーラス、ギターソロ、サウンド・コラージュ、パロディ(ボブ・ディラン)とザッパ音楽の多くの要素が分かり易い形で展開されています。
ライヴ録音にオーヴァーダビングをして完成されたこのアルバムは、バンドの技術の高さもうかがい知れます。 このアルバムでのメンバー中で有名どころはエイドリアン・ブリュー(g)、テリー・ボジオ(Dr)。
高校3年のこの年一番聞いた洋楽作品だったと思います。

知名度の割に聴かれない・敬遠されるミュージシャンの最右翼だと思いますが、ザッパ・バンド出身のミュージシャンは以外と多い。
上記の二人以外にもロウエル・ジョージ、ジョージ・デューク、ジャン・リュック・ポリンティ、そしてスティーヴ・ヴァイ。
若い才能を見つけるのも上手かったんですね。
マイク・ケネリーを除き、バンドを離れてからもザッパ・ミュージックを継承するような音楽をしている者がいないことを考えると、彼にしかできない音楽だったんでしょう。
アメリカではザッパの音楽を笑いながら聴いたりするそうです。
英語力の問題では無く、ローカルな話題・ローカルなパロディーがちりばめられているためらしいのですが、日本人の僕にはどうするすべもありません。
ただ、黙って聴くのみです。
何分の1程しか面白みが分からないのかもしれませんが、それでも素晴らしい。
80年代半ばには、「人間が演奏するのには退屈すぎる音楽」を演奏するためにシンクラヴィアとゆう楽器を使ったり(聴く方にも退屈?)、晩年はオーケストラとの作品に力を注いだりとロックのフィールドにとらわれない活躍が目立ちました。
そうそう、ザッパ流のジャズアルバムも何枚かありそれも良いですよ。
レコード会社との争い、日本でいうPTAみたいな団体との裁判闘争、海賊盤業者との争い、等といった事からネガティヴなイメージで見られがちですが、音楽・表現に対して純粋で自由であろうとした事の表れでないかと僕は思います。
20世紀の音楽家としては最も表現に対して自由で厳しく他者からの介入を嫌った人であり、それを貫いた人です。

ロックとゆう事だけではなく、ジャズ・クラシック・現代音楽そしてすべての音楽ファンに聴いていただきたい人です。

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