店長おすすめの一枚 2002年5月

レニーニ/未知との遭遇の日

LENINE/未知との遭遇の日
  1997年作品 ブラジル
  BVCP−6075

    曲目
 1.橋
 2.今日は一人で出かけたい
 3.魔法のランプ
 4.混ざりゆく人種
 5.計り知れない距離
 6.未知との遭遇の日
 7.マッドドッグのバラード(傷は深く)
 8.イカれた牛追い歌
 9.黒い双眼
10.火星の陸標
11.なんてバッキだ
12.ペルナンブーコより世界へ
    a)ただいま、レシーフェ
    b)フレーヴォ・シランダ
    c)晴れたり降ったり
    d)河と橋のオーヴァードライヴ
13.ブンダレレー
14.我らが船のモットー

 ブラジル音楽です。
 ブラジルの音楽というと皆さん何をイメージします?
 ボサノヴァ、サンバ、こんな所でしょうか。
 マルシアを思い浮かべた人はいないでしょうね(笑)。
 ボサノヴァもサンバも確かにいい音楽ですが、これでは30年程前から何も変わっていませんね。
 ブラジルの音楽は30年間変化していないんでしょうか?
 日本に置き換えると「日本の音楽は?」と訊かれ「演歌、民謡」と答えているようなものです。(かなり乱暴ですが)
 間違っていはいませんがそれだけではないですもんね。
 移民などがあったりして日本とは関係の強い国ながら、意外と文化が知られていない国です。
 そうそう「元気ですかー」のあの人もブラジル移民でした。
 サッカー、グレイシー柔術だけでなくブラジル音楽の今もきちんと認識して欲しい。

 10年程くらい前に外資系のCD店が新しい感覚の日本のロック・ポップスの事を"J−POP、J−ROCK"と呼びはじめ、今やすっかり定着した感がありますが、ブラジルにもそういった新しい感覚のポップスがあるんです。
 その筆頭がここに紹介するレニーニです。
 一言で表現するのは難しいですが、ブラジルのリズムにロックの感覚とヒップ・ホップの方法論を掛け合わせた感じ。
 キーワードは"ストリート感覚"。
 別に街の中で流れている音楽とゆうわけではありませんが、ブラジルの地方都市の空気を伝えていると思います。

 このアルバムは彼にとって3rdアルバムで、メジャーからは初の作品。
 93年にマルコ・スザーノとのコンビ(レニーニ&スザーノ)でアルバム「魚眼」を発表。
 インディーからの発売だったにもかかわらず世界中で好評価をえる。
 97年6月の来日ライヴを経て今作を発表。
 ジャケットを見てのとおりアルバムのコンセプトは"SF"といったところか。
 アルバムのでだしがダイヤルアップのインターネットの接続音。
 数年後には常時接続が当然になると聞かれなくなる音ですが、97年のアクセス方法としては当然の事か。
 彼はここで何にアクセスをしようとしているのでしょう?
 一曲一曲が一つ一つの短編小説のように完結していながら、まるで長編映画を見ているかのような構成になっています。
 ボサノヴァのような静寂、サンバのような激情も随所に見られ、これぞブラジル音楽といった所か。
 同時代のブラジルのアーティスト達が激情性で押し切るのに比べると幅広いリスナーに聞かれる要因かもしれません。
 99年の作品「アンダー・プレッシャー」も力作です。

 ここ数年僕的には、フランス在住アラブ人の音楽、日本のフリー・ジャズとならんでもっとも面白いと思えるのが、このブラジルの新世代の感覚を持った音楽です。
 レニーニの他にはカルリーニョス・ブラウン、ペドロ・ルイス&パレーヂ、ファロファ・カリオカ といったところも聞いていただきたい。
 本当の意味でのミクスチャー感覚がありますよ。
 是非ともロックファンには聴いていただきたい。

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