店長おすすめの一枚 2002年3月

ユッスー・ンドゥール/セット

YOUSSOU N'DOUR/SET
  1990年作品 セネガル(アフリカ)
  VJCP−47(廃盤)

    曲目
 1.セット
 2.アルブリ
 3.サバル
 4.トクシック
 5.シネバル
 6.メディナ
 7.ミヨコ
 8.ハレ
 9.フェネン
10.ファカスタル
11.ヘイ・ユー!
12.ワン・デイ
13.アイ・チョノ・ラ

 ユッスー・ンドゥールとゆう名前は知らなくても日本人ならこの人の声は聞いた事があるはず。
 ホンダのステップワゴンのテレビCMで"オブラディ・オブラダ〜"と歌っているのが、このアルバムの主人公ユッスーだからです。
 ほんやらどおに来た事がある人なら分かると思いますが、店内では通常良く聴かれるロック・ジャズ・クラシック(西欧圏の音楽)といったもの以外のものがながれている事が多い。
 それもこれも全てこのアルバムのおかげ。
 このアルバムが出た当時僕はまだ東京で学生生活をしていました。
 休みの間はほんやらどおでバイトをしていましたが、当時はまだRock 'N' Roll人間。 見た目は今も昔も違いますが(笑)。
 クラシックやジャズは「年寄りが聞くもの」、邦楽は「笑わせんな」、ワールドミュージックは「マニアが勝手に聞け」の思い込み。
 "Rock 'N' Rollが最高さ"などと勝手に決め込んでいました。
 とはいえ当時リアルタイムで聞くロックに物足りなさを感じていた事も確か。
 しかし店でバイトをしていたのでいろんなジャンルの音楽を聞く事も多かったのですが、ロック以上の物を見つける事はありませんでした。
 ある時ミュージック・マガジン誌でのレビューを見て、騙されたと思ってこのアルバムを買ってみる事に。
 家に帰りCDをかけてみると自然と体が動く。
 今まで体が自然に動くなどとゆう経験は一度もなかった。
 そして気分が凄く高揚している。
 あっとゆう間に一枚を聞き終わり再度聞く事に。
 耳に馴染ませる聞き方が嫌いなので、同じアルバムを短期間のうちに何度も聞くとゆう事をしないのですが、この時ばかりは違った。
 物凄い緊張感とテンションに完全に打ちのめされていました。
 当時リアルタイムで聞いていたロックに無かった物が、このアルバムにはありました。
 一時"ロックは死んだ"とか"ジャズは死んだ"などと言われ物議をかもした時期がありましたが、そのジャンルが生れた時の熱やパワーは20年も経てば無くなるのは当然です。
 その頃には熟成へと向かっているのですから。
 パンクやフリージャズといった形でシーンに熱を吹き込む動きはあったのでしょうが、主流ではありません。
 その熱やパワーがこのアルバムからは、ビンビンと伝わってきます。
 よく「音楽に国境は無い」と言いますが、「聴く側には国境はある」んだなと知りました。
 ジャンル内を縦割りで聴くよりも、全てのジャンルの自分の感性に引っかかる所を横っ飛びで聴いた方が面白いと気づいてしまったんですねー。
 それからは全てのジャンルが面白いように聞こえてきました。

 音楽の細かい説明は苦手なので控えますが、アフリカ的・ロック的・キューバ的なものがユッスーの中で消化(昇華かもね)され吐き出されています。
 バックはセネガルでは名うてのミュージシャン達。
 7曲目は日本人秋山美代子さんの事を歌っています。
 この時期(90年前後)のユッスーのアルバムは全ておすすめ。
 WOMAD JAPAN で見たユッスーは最高に格好良かった!(急にミーハー)

 最初に紹介するアルバムが廃盤で見てくださった方には申し訳ありませんが、責任は当方よりこんな名作を廃盤としている某レコード会社です。
 東芝さん再発売お願いしまーす。(笑)
 当時の音源はベスト盤として現在は出ています。
 ほんやらどおが全てのジャンル別け隔てなく扱えるのは、このアルバムのおかげかもしれません。
 店を続ける限り、このアルバムに僕は感謝を続ける事でしょう。
 最近音楽がつまらなく感じているあなたに聴いていただきたい一枚。
 騙されたと思って聴け!
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